
支援活用事例
産学官連携により「心臓リハビリテーション支援システム」を開発
事業者名
株式会社ズー
事業内容
調剤薬局向け業務支援システムの開発、販売、サポート
PCゲーム・ソーシャルゲームの開発、運営、サポート
事業者データ
- 代表者/藤井 修亮
- 所在地/上田市下之郷字浅間原813-12
- 従業員数/80名
- 連絡先/0268-37-1531
- URL/https://www.zoo.co.jp/
活用した補助金・支援制度等
コーディネータ/アドバイザーによる一貫支援事業
令和5年度成長産業支援補助金(健康・医療分野)
企業の現状及び支援の経緯

同社は、調剤薬局向けシステムや医薬品データベースを提供する医療事業と、SNS・PCゲームを展開するコンテンツ事業を柱とする企業です。異分野の事業を柱とするユニークな企業で、近年はこれらを融合した新製品開発にも積極的に取り組んでいます。
今回の心臓リハビリテーション現場のニーズは、丸の内病院(松本市)の臨床工学技士から、長野県臨床工学技士会を通じて、当機構と信州大学に支援要請がありました。
心臓リハビリは、家庭や社会生活への復帰、再発防止を目的に病院内で自転車漕ぎ運動による体力回復を半年から1年継続されます。しかし、運動が単調なため、多くの患者が途中でやめてしまう問題があり、患者が楽しく継続できる新たな仕組みが必要とされていました。
実施した支援内容

信州医療機器事業化開発センターは、医工連携プロジェクトマネージャーを中心に、信州大学と連携し、アプリ開発から臨床研究まで総合的に伴走支援しました。
- 医工連携マッチング支援:県内事業者から、医療事業とゲーム事業を展開する(株)ズーを選定し、リハビリ現場のニーズとマッチング
- 共同開発契約支援:臨床工学技士会や市中病院では馴染みのない契約について、確認・修正提案・企業交渉を仲介
- 医療機器開発・研究支援:ゲーム要素を取り入れた心臓リハビリの提案や、臨床研究の手法を検討
- 知財支援:ペダル回転数のセンシング方法やソフトウェア仕様の権利化を提案し、明細書をチェック・修正
支援の結果及び今後の展開等

心臓リハビリテーション支援システムは、自転車漕ぎ運動に「麻雀」や「ソリティア」といったゲームを融合することで、処方された運動強度を守りながら楽しめる工夫がされています。丸の内病院における臨床研究では、退屈感が軽減され、興味が喚起されることでリハビリを継続しやすくなる効果が確認されました。今後は、データの収集や医療機器メーカーとの協力を進めながら、令和8年度の市場投入を目指して開発が進められています。
参画機関
一般社団法人長野県臨床工学技士会
社会医療法人抱生会 丸の内病院
国立大学法人信州大学
担当部署
公益財団法人長野県産業振興機構 次世代産業部 信州医療機器事業化開発センター
〒380-0928 長野市若里1-18-1(長野県工業技術総合センター3階)
[TEL]026-217-1634 [FAX]026-226-8838
[Email]med[at]nice-o.or.jp ※[at]は@に置き換えてください
支援を受けて
当社は30年以上ゲーム開発を手掛けてきましたが、社会的課題解決を目的としたゲーム制作は初の試みでした。臨床研究で、患者様のリハビリテーション継続意欲が向上した結果を受け、新たな扉が開かれたと感じています。今後は更なる研究と上市を目指し、取り組みを続けてまいります。
代表取締役社長 藤井 修亮 氏
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