
支援活用事例
「すんき」漬液を有効活用した健康機能を有する商品開発の支援
事業者名
おんたけ有機合同会社
事業内容
農作物加工、地域農作物及び加工・発酵食品の販売、飲食業
事業者データ
- 代表者/松井 淳一
- 所在地/木曽郡木曽町開田高原末川4119-2
- 従業員数/9名
- 連絡先/0264-42-1360
- URL/https://kaidakougen.jp/
活用した補助金・支援制度等
機構コーディネート活動支援事業
信州発酵フードテック研究会
企業の現状及び支援の経緯

同社は木曽地域特産の乳酸発酵無塩漬物のすんきなど、発酵食品・農産加工品の製造を行う「おんたけ有機KAP」、地域の発酵・加工食品や農産物を販売する「彩菜館」等を運営している会社で、2009年に地域住民の出資などで設立されました。観光とも連携し、地域での食に関する循環経済を構築することで、持続可能な地域経済、地域社会の発展に貢献することを経営理念としています。
すんきは、古くから伝わる木曽地域の保存食で、栄養的にも優れた食品です。また、「県選択無形民俗文化財」や、地理的表示法に基づき地理的表示(GI)として登録されるなど、歴史的、文化的な価値があり、さらに、地域産業にとっても重要な食品です。しかしながら、すんきの販売量は横ばい状態であり、新たな商品開発が求められています。そのため、当機構では、すんきの製造副産物である「すんき漬液」を有効活用(アップサイクル)し、すんきに含まれるGABAや乳酸菌による健康増進が期待される商品開発を支援しました。
実施した支援内容

すんきには、植物性乳酸菌自体や乳酸菌により産生される機能性成分GABA等が含まれ、健康機能性が注目されています。その健康機能性は、すんき漬液にも同様にありますが、商品開発する中で、「漬物としての独特の匂いのマスキング」、「製品による乳酸菌・GABAの摂取量」、「漬物からのイメージチェンジ」が課題となっています。これらの課題を解決するために、すんき漬液を活用したゼリーとサイダーの商品開発に関して、機構コーディネート活動支援事業により、開発を支援するとともに、高崎健康福祉大学、長野県工業技術総合センター食品技術部門、当機構が連携し、技術支援を行いました。また、当機構及び長野県が主催している「信州発酵フードテック研究会」において、試作品の試食評価会を開催しました。研究会の会員から改良点や方向性に関する意見を収集し、より良い商品開発につなげる支援を行いました。
支援の結果及び今後の展開等
すんき漬液を活用した商品開発において、漬物臭のマスキング、開発品の乳酸菌数やGABA量の把握、イメージチェンジなどの課題を解決した商品開発を行うことができました。試食評価会においては、新たな課題等も明らかになり、これからの商品開発に活かしていくことになりました。今後は、引き続き、関連する支援機関と連携して支援を行い、機能性表示食品として国への申請等をすることにより、すんき及びすんき関連商品の需要拡大を図る支援を継続していきます。
参画機関
高崎健康福祉大学、長野県工業技術総合センタ―食品技術部門
担当部署
公益財団法人長野県産業振興機構 次世代産業部
〒380-0928 長野市若里1-18-1(長野県工業技術総合センター3階)
[TEL]026-217-1634 [FAX] 026-226-8838
[Email]shinsangyo[at]nice-o.or.jp
※[at]は@に置き換えてください
支援を受けて
商品開発を進めるうえで支援は大変有効でした。この支援事業を進めてきたおかげでさらなる新商品開発へのモチベーションが高められ、すでに2品目の開発が進められています。
産業振興機構の事業にマッチするのであれば、継続あるいは再度のご支援をお願いしたいと思います。地域の商品開発事業所に対し、商品開発のアドバイスやアイデアを提供していただけるような支援があれば幸いです。
代表社員 松井 淳一 氏
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